彼氏キケン地帯
「ね!みっちゃんは尚くんのどこが好きなの?ちなみに俺はかにゃんのすべてがしゅきっ、あ、噛んじゃった。」
「てへっ」と拳をコツンと首を傾げた状態で頭にあてて可愛いポーズをとる彼。
佳菜にど突かれて嬉しそうにしているのは見ない振りをしよう。
あたしの尚を好きな理由は…
「えっと、以前は、温厚で真面目で笑うと可愛いところが好きだったけど、
今は強引で意地悪だけどホントは優しくて、単純だけど気難しくて、頭は良いんだけどどこか要領が悪くて…」
「ン?なんか後半悪口になってきてにゃいかい?」
「た、確かに…」
あれあれ?
あたし、尚のどこが好きなんだっけ?!
彼を好きっていう気持ちは確かにあたしの中にあるはずなのに、彼を好きな理由が言えない。
好きだという気持ちはこんなにも大きいのに、なんで好きなのかわからない。
彼の行動すべてが愛おしくて、その一つ一つがあたしを一喜一憂させる。
なのに、あたしは彼のどこが好きなんだろう。
-