彼氏キケン地帯
隣を歩く彼の横顔をじーっと見てしまう。
スッと高い綺麗な鼻筋。
さらさらのミルクティー色の髪。
つり上がった眉に、臨とした態度を見て、つい数日前までの尚を思い出す。
何か頼まれたら断れない、お人好し。
頼まれた仕事は最後まできちんとする。
どちらかというと優等生タイプで、どこか抜けてるようなふわふわした雰囲気。
お菓子で例えるならマシュマロみたいに柔らかい性格。
尚が笑うと、なんだかこっちまで幸せになれる。
特別背が高いわけじゃなくて、がっちりとした男らしい背中じゃないけど、人一倍優しくて穏やか。
笑顔は、女のあたしより華があって可愛い。
「蜜希ちゃん」
うんうん。
そんな感じ。
笑顔がキラキラしてるの。
この笑顔が、あたしだけにって思った時は幸せすぎて電柱にぶつかったあの3ヶ月前が懐かしい。
「ひどいよ、蜜希ちゃん。俺と一緒にいるのに、なんか違うこと考えてるみたいだし」
そうだ。
いつもそうなんだよ。
だから、そんなことを言わない尚に申し訳なくって。
…って
「え?!」
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