彼氏キケン地帯
たしかに、尚と甘い昼休みを過ごすことを望んでいたけれど、こんな急激に密着度が上がるなんてさすがに恥ずかしい。
この前から、尚の行動があまりにいつもと違っていて、展開についていけてない。
置いてきぼり。
バスの乗り遅れ。
いや、違うな。
どちらかというと、二人三脚でペアの子が早くてペースを合わせられない。
引きずられてる。
うん、そんな感じだ。
「や、やめましょうよ。なんかハズい…」
「いーじゃん。お前の照れとか関係ねーし」
恥ずかしすぎて下を向いているしかできなかった。
「な、なんか機嫌良くない?」
「そう?蜜希が近くにいるからかも」
ボン!!!
なんて音が出たんじゃないかってくらい、体温が急上昇した。
あ、甘い…
たしかに、保健室でいきなり「可愛い」なんて簡単に言っちゃってた尚だから、このくらいサラッと言ってしまってもおかしくないのだけれど。
あたしは、慣れてない!
まだついていけてない!
引きずられてるよ、まだ!
「お、べんと…食べなきゃさ」
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