彼氏キケン地帯
―――……
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朝から憂鬱だった。
尚には会わなかったし、探したけど会えなかった。
一緒に登校できないなんて、付き合ってから初めてだ。
ずっと、一緒にいたんだなぁって今となって思った。
「はぁ…」
ため息ばかり出てしまう。
「ため息ばかりじゃ、幸せ逃げちゃうよ?」
「なっ?!!」
息を吹きかけられた耳を抑えて振り向いた。
犯人は、噂の危険人物。
チャラ男もとい斎藤裕史。
「昨日と今日と。君ら一体なにしてんのさ」
「は?!」
なに言ってるのか理解できない。
いきなり何を言うかと思ったら、“君ら”ってなに?
もしかして、昨日見られてた?
「いや、ね?たまたま、昨日の帰り蜜ちゃんを見かけたのよ」
「ど、どこで!」
「CDショップにいたら、蜜ちゃんと尚ちゃん見えてね」
「え…っ」
「ウケんの!尚ちゃんてば、こそこそ蜜ちゃんの後なんかつけちゃってー!あれ、何ごっこー?」
尚が…あたしを?
それじゃ…昨日の物音は、尚?
「…誰が、“尚ちゃん”だって?」
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