彼氏キケン地帯
「うはっw尚ちゃんっつったら、君しかいないじゃーん!」
「勝手に呼んでんな!カス!」
「うわ!なに?機嫌悪い系〜?」
目も合わせてくれない。
こっちを少しも見てくれない。
だけど、確かに尚は昨日あたしの後ろにいてくれてて。
それは、あたしを心配してくれたってこと…じゃないの?
あんなこと言ったのに。
“優しくない”なんて言っちゃったのに。
そう思うと、すごくすごく尚に申し訳なくて、ずっと下を向いているしかなかった。
そんなあたしを見て、斎藤裕史はパチクリと不思議そうにまばたきをしていた。
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