彼氏キケン地帯
戸惑いの愛
それから、少し気まずい雰囲気でそれぞれ教室に戻った。
仲直りできたはずなのに、晴れない気持ちと尚の態度。
どこかスッキリしていないところが一つ。
どうしてそこに疑問を抱くかはわからないのだけれど、尚のことを中学から好きだと言っていた彼女の言葉が少し不自然というか…はっきりと断言できるわけではないけれど、どこかつっかかるところがあると思う。
尚も、あたしに対してどこかぎこちない態度。
それとも、あたしの気のせいなのだろうか。
きっと、初めて喧嘩して、仲直りしたばかりだからだよね。
少しだけ気持ちが楽になると、気づけば授業は終わっていた。
「…今回のテスト。おわったな…」
違う意味で、また、気持ちが曇ったのは言うまでもなかった。
時は過ぎ、昼休み。
香奈に授業をサボってしまった理由を話していた。
「それでそれで?蜜希の尚くんカッコイイじゃん。」
「うん…でも、ちょっと可哀想だったかな。」
「いーのよ!そんくらい追い詰めなきゃ、また団体でくるってっ!」
「うーん。それは困る。」
「デショウ?!」
「でもさぁ…」
「蜜希は甘すぎんのよ!ああいうのは、泣いて同情をかおうとしてるだけだから!さっすが尚!やることクール!」
「さすがって…キャラじゃないよ…」
そう言うと、香奈は目をまん丸と大きく見開いた。
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