彼氏キケン地帯
初めてできた女の顔は、今となっては全く思い出せないけど、そのころの俺にとっては鬱陶しいもの以外の何ものでもなかった。
女の要望はすべて応えたつもりだけど、それでもそいつはそれ以上を望もうとする。
「なんで、あたし以外の女の子と話すの?」
「あ?」
「尚といるの辛い。」
どこまでも欲の強い女だな。
もういいや。
めんどくさい。
「あっそ。んじゃ、別れっか。」
「え?!うそ!やだよっ」
泣き出す女にうんざりして、一週間足らずで別れた。
それから、どこから聞いたか知らないけれど「別れたなら、あたしと付き合ってよ」と言われた。
少し気の強そうな女だったけど、顔は整ってる方だったから断らなかった。
世間の女たちは、これをチャラ男と言うらしい。
でもさ、俺はべつに何もしてないぜ?
「好きだよ、尚…。」
自ら服を脱ぐ二人目の女。
女から誘ってきたんだぜ?
中学に入ってすぐ、俺は女を知った。
女ってこんなもんなんだ。
簡単に自分を安売りしちゃって、迷いもなく体を差し出す。
そういうのをさ
馬鹿っつーんだよ。
俺の母親みてーによ。
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