勝利の女神になりたいのッ!番外編
「もういいだろ?」
「よろしいですかというんだよ。アンタ本当に大丈夫なのかい?」
「朱里にまで畏まって話さなくてもいいじゃないか。ちゃんとやってるよ!」
「だといいんだけどねぇ。」
チラリと俺に視線を向けたまま唇のはしを片方だけ持ち上げて笑う朱里。
腹立たしい女。
「俺の方が朱里よりいい女だよ。若いしねッッ」
最後の若いって部分を強調して言ってやった。
「生意気言うんじゃないよ!アタシに勝とうなんて百年早いよッ」
「もう二人ともやめろ。それよりも紅葉…隆吉に話しておきたいことがあるんだ。」
俺と朱里の言い合いを止めるように言葉を落とした左近様。
俺を隆吉と呼んだ左近様。
普通の話ではないと思い俺は固唾を飲んだ。