勝利の女神になりたいのッ!番外編
「良君がどうかしたんですか?」
「紫衣、ソイツの事好きだったのか?」
縦に首を振る紫衣。
「今でも?」
聞かなくていいことまで聞いている俺。
どうしようもないほど小さい男だと自分でも思う。
でも聞かずにいれなかった。
「今は紫衣はお兄ちゃんと一緒に生きているでしょう?だから良君はもう紫衣にとって過去の人で何も心配いらないと思いますよ。」
「え?」
まさかの紫衣違い?
「そうですよ!!そんな心配いらないんです!!池に写っていた紫衣はお兄ちゃんととても幸せそうだったじゃないですか!!」
俺の心の声が聞こえているのかと思うような紫衣の言葉に俺はたじろぎ、曖昧な返事を返した。
「あ、あぁ。そうだな。」
そんな俺に満面の笑みを浮かべて話してくれる紫衣。
「だけど...お兄ちゃんを心配してくれていたんですね。石野さんって優しいんですね。」
彼女の笑顔を見て自分のバカさ加減に込みあがってくる笑いを堪えて彼女を腕の中に閉じ込めた。
俺、マジでかっこ悪ィ...。