勝利の女神になりたいのッ!番外編
1日をほとんど布団の中で過ごす私は、とても退屈で、食事の時に朱理さんと話すのが唯一の楽しみだったりする。
「早く動きたいよ。」
訴えを口にしても、
「食べられるようになるまでは倒れたりしたら危ないからと凌庵さんから指示を頂いてますからね。」
口調は優しいけれど、取り付く暇もないくらいピシャリと言い切られる。
こんな時、紅葉さんの存在をとても大きく感じるんだ。
城で退屈な日々を過ごしていた時も、紅葉さんは私を退屈させないように頻繁に顔を出してくれた。
三成に逢えない寂しさを紅葉さんは色々な話をして紛らわせてくれた。
「退屈すぎて、おかしくなっちゃうよ。」
昼食の膳を片付けるため部屋から出て行った朱理さんの背中を見送ってからポツリと呟いたんだ。
我儘を言って困らせたいわけじゃない。
だけど、今の生活はとてもストレスが溜まるのも真実で、彼女に負担にならないように不満を口にするのが日課になった。
相当参ってるよね?
こんな私、自分でも嫌いだ。