勝利の女神になりたいのッ!番外編
「そう、そんなことがあったの。」
「だから、紫衣に二人を逢わせたくないの。」
必死でお願いする私におばさんはニッコリと笑って話したんだ。
「それは出来ないわ。だってね、紫衣は逃げたんでしょう?つらい事から逃げていては何も始まらないもの。逃げたから事故が起こったのよ。きっとそう...。
だから、もう逃げ回るわけにはいかないでしょう?紫衣の為にもならないわ。」
「でも、今はそれでなくても紫衣が正常でない状態なのに..
石田と真衣に逢ったら、紫衣が壊れちゃったら...
怖いの!!おばさん、私怖いの!!」
必死に訴えかける私の肩をおばさんは優しく擦るように掌を這わせてから口を開いた。
「私はね、紫衣を信じているの。
この子は何事からもすぐに逃げちゃうでしょう?
でもね、最後には相手の気持ちや立場をちゃんと考えて踏みとどまることが出来るんじゃないかしら。
そう言う風に育てたから...きっと大丈夫よ。」
だから芽衣ちゃんも信じてあげてねって言ったおばさんの笑顔は自信に満ち溢れていた。
紫衣を信じる。
それはとても大切なこと..。
逃げることは解決にはならないんだね。
「わかった。おばさんの言う通りだよ。私が間違ってたみたいね。」
「いいえ、ありがとう。
紫衣を想って芽衣ちゃんは私に話してくれたのよね?
知っていて良かったわ。本当にありがとう。
これからも紫衣のいいお友達でいてあげてね。」
「もちろん!!大学も一緒なのよ。これからもずっと友達だよ私たち。」