勝利の女神になりたいのッ!番外編



ショッピングモールまでは車で一時間かかるといわれて私は頷いて嶋田さんに応えた。



運転してるから頷くだけなんてダメだってわかってる。



だけど声を出すと余計なこと言っちゃいそうで出せなかったんだ。





「紫衣ちゃんは元気?」


「はい。」



嶋田さんは私に気を使ってくれたのか滋賀の話をしてくれた。


あの日は楽しかったねって話を振ってくれる嶋田さん。


やっぱり優しいんだね。


きっと私の心の変化に気付いて気を使ってくれてるんだ。



「石野がさ、最近様子が変なんだよ。芽衣ちゃん何か知らない?」


「私がですか?何も知りませんよ。」



どうして私が石野さんの事知ってるの?

大学でも石野さんと逢う事なんてないもの..

というより石野さんは嶋田さんと対照的に近寄りがたい雰囲気で逢っても親しく話すことなんて出来ないよ。



「紫衣ちゃんはどう?」


「元気ですよ?」


「そうじゃなくて、あの二人連絡とってそう?」


「連絡は...取ってないみたいですね。」


「そうか.....。」





そのまま会話は途切れてしまった。


紫衣と石野さん?


もしかして二人をどうにかしたいの?


っていうか石野さんの様子がおかしいなんて...


もしかして石野さんは紫衣を気に入ったって事?










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