勝利の女神になりたいのッ!番外編
お昼になって食事をしていても頭の中にあるのは嶋田さんを好きって気持ちだけ。
自分でも不思議なほど嶋田さんが好き。
「石野さ、俺とすっげ長いつき合いなんだよ。
だけどきっと紫衣ちゃんのこと本気なんだと思う。」
「そうですか..。石野さんって女嫌いだって噂があったから誰ともつき合わないと思ってました。」
「そんなことないよ。現に今までつき合った子いるしね。長続きはしないんだけど..。」
そんなこと知ってますよぉ!
それは嶋田さんだって同じじゃないですかって言葉を飲み込んだ。
「二人は大学でも人気がありますよ?」
「そんなのは俺と石野の上辺を見てのことだろう?興味ないな。」
「でも誰にも相手にされないよりはいいじゃないですか。」
「俺も石野も別に遊びたいわけじゃないんだ、だけど結果遊び人って言われても仕方ないような行動を取ってるけどね。」
「どうしてですか?」
「本気になれないんだ。本気になれる相手を探してるって方が正解かな。」
本気になれる恋。
誰でも探しているよ。
私だって恋は遊びでしたいわけじゃない。
「そんなの誰でも同じですよ。」
「そうかな...。」
少し影を作った嶋田さんの表情。
始めてみる彼の寂しそうな表情に私は自然に彼の手に自分の手を重ねていた。