そばにいれたなら
「アドレス教えて」
帰り際ショウくんに言われた。
別に断る理由もないあたしは
何気なしにアドレスをおしえた。
あぁ、きっとまたショウくんも
あたしのことそうゆう目で見るんだろう。
だから分かれる最後くらいは
あたしは笑顔で電車に乗り込むショウくんを見送った。
きっともう会わないんだろうな、
変な中学生。
こうやってひと時をともにした人でも
また会える保障なんてどこにもない。
思い出をお互いの記憶に植え付けるだけなのかな。
「マキ?」
見送ってすぐ後ろから聞き覚えのある
声があたしの耳に届いた。
「あ、レイさん」
レイさんは缶コーヒーを2つもって
あたしのすぐ後ろに立っていた。