そばにいれたなら
缶コーヒーをそれぞれ持ちながら
駅をでた。
空はやっと夕方を過ぎたくらい。
まだ、合コンは続いているのだろうか。
あたしには関係ないけど
関係ないからこそ気になる。
レイさんは知り合いが多い、ということにはすぐ分かった。
すれ違う人とかたまにレイさんに
挨拶したりする。
もちろんお店のお客さんみたいな人も。
そのたびあたしは他人を
装っていた。
レイさんもそれに気づいただろうけど
あえて触れてこなかったし。
またそこがあたしにとっても
都合が良かった。
歩きはじめて10分くらい経った頃
レイさんがポソッと呟いた。
「もしかして彼氏とデート中だった?」