そばにいれたなら
レイさんが納得したようにあたしから視線をそらした。
つられてあたしも前を向く。
「今日は良かったの?」
え?何が?
あたしが返事に悩んでいるのに気づいたのかレイさんは言葉を続けた。
「ずっと待ってるって人待たなくても」
……あー。そういえばそういう設定だったもんね。
……設定?よく考えるとそうでもないよ。
だってあたしはレイさんを待ってた。
一方的にだけど。
「今日はいいんです。」
「へー」
多分レイさんもあんまり興味ないのだろう。それ以上はなにも聞いてこなかった。
街の明かりが少なくなって行く住宅街。
街灯が数えるくらいしかない暗い道も
隣にレイさんがいる。