そばにいれたなら
―――………え。
え、え、え、え、え、え。
「レイ、さん…?」
あたしの右腕が自由を失った。
気づいたらレイさんの右手があたしの
右腕の自由を奪ってる。
さっきまで閉じていたレイさんの
目がゆっくりと開く。
その瞳に捕らえられた瞬間
あたしは震えた。
「……マキ。」
あまりにも辛そうにあたしを見るから。
あまりにも切ない目で見るから。
風邪のせいなんかじゃなさそうで。
「どうしたの?」
「……あんま知らねぇ野郎の家、簡単にくんなよな」
………――え
気づいた時にはあたしの視線は天井を
とらえていた。