そばにいれたなら









心なしかレイさんの目が冷たい
んじゃないことが分かった。



冷たいんじゃなくて
すごく泣きそうな目をしてる。




「よくある話だけど、引き取られたのも金目当てで。俺の性格が気に入らなかったのか金渡されて知らないうちに勘当されてた」




泣かないで。


レイさん。




「俺のいないとこで叔父さん達家族は笑ってて。俺がその輪に入るとその笑い声は自然ととまるんだ。」




レイさんがあたしの腕を解放する。

それでも顔は近いまま。




「温もりが欲しくて自分からこの世界に入った。」




それは偽りの温もりと自分。




「お前は俺に何をくれる?」





あたしは――…レイさんに…



何をあげられる―……?




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