そばにいれたなら








「だから聞いて、レイさん」



「……何を」





もしもあなたがあたしに
真実を望むのなら

嘘を拒むのなら






「あそこで待ってる人なんていない。あたしはレイさんをずっと見てた。」





ありのままのあたしを
知ってほしい。見てほしい。




そう思ってるとレイさんはあたしから離れて体を起こした。




嫌われた?ストーカーだと思われた?
それでもあたしは良い。
あなたにありのままを知らせることが
できたのだから。





あたしもレイさんの後に続いて体を起こす。
ベッドが少しだけ軋んだ。






レイさんは片膝をたてながら
あたしを見据えている。







「知ってた」




思いがけない返事にあたしの
目は確かに見開いたと思う。




< 39 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop