そばにいれたなら
「だから聞いて、レイさん」
「……何を」
もしもあなたがあたしに
真実を望むのなら
嘘を拒むのなら
「あそこで待ってる人なんていない。あたしはレイさんをずっと見てた。」
ありのままのあたしを
知ってほしい。見てほしい。
そう思ってるとレイさんはあたしから離れて体を起こした。
嫌われた?ストーカーだと思われた?
それでもあたしは良い。
あなたにありのままを知らせることが
できたのだから。
あたしもレイさんの後に続いて体を起こす。
ベッドが少しだけ軋んだ。
レイさんは片膝をたてながら
あたしを見据えている。
「知ってた」
思いがけない返事にあたしの
目は確かに見開いたと思う。