そばにいれたなら






俺の世界は全然輝いていなかった。


親に見放され…、親?



違うか。

俺に親なんて、家族なんて
呼べる人もういないのだから。



この仕事についたのだって
温もりが欲しかったから。


でも気づいた時は遅かったんだ。



ここにくる人はみんな想ってる人がいる。


俺に1番の温もりを与えてくれる人なんて
いるはずないんだって。



それなりに指名だってもらえるけど
俺を1番に愛してくれる人はいない。



本当気づくのが遅すぎるよ。



だからその嘘の愛情、
騙されたフリしていつも女を抱いてた。



マキにだってそのつもりで近づいた。



白黒の世界からもっと色を
奪おうとしてたのは自分だ。



何のために生きてるのか
分からなかったから。



< 47 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop