そばにいれたなら
マキはどうして俺なんかを
見ていたのだろう。
あの時はただ単に俺のことが好きなんだろう、くらいにしか思わなかったけど。
キュッとシャワーのレバーをひねると熱いお湯が俺の体を濡らしていった。
酔いがさめていく。
それから俺が風呂から上がってすぐ
マキがやってきた。
マキがきたこの時間が疲れた俺を
睡眠よりも癒してくれる。
「ねぇ、マキ。」
「んー?」
家にきた早々忙しそうにちょろちょろ
動き回るマキを横目に俺は雑誌を開く。
まぁ正直、雑誌なんて見てない。
だってマキが騒がしいし、
俺の話聞いてほしいから。
洗濯はしなくても良いけど
そんなこと言ったら俺の話誰も聞いてくれる人いなくなるから。
マキがここにいる理由なくなるから。