そばにいれたなら
「待たせて悪かったなー!」
そうレイさんは言ってあたしに近づく。
そして男の手を簡単にあたしから離してくれた。
あたしも彼らも呆然とした顔でレイさんを見る。
何がどうなったの…?
「なっなっなんだよ!男待ちかよ!」
男待ち?誰が?
隣にはいつも遠くから見ていたレイさん。
「これからデートなんだよ。どっか行きやがれ」
レイさんは鼻で笑いながらあたしの肩を抱いた。デートって…何?
「男だったらいつもこんな場所で待たせてんじゃねーよ!高校生のくせしやがって」
ペッと唾をはきながら彼らはあたしたちから離れていった。
あたしの頭はなんでレイさんがこんな近くにいるのだろう、とそればっかり。