そばにいれたなら








「じゃあ、好きな人いるから、とかは?」



『それだと諦めてくれるかな?』



王道だけど諦めつきそう。
俺だったらショックだし。


「うん」



マキはそっかぁ、と呟きながら1人
納得しているみたいだった。



…………マキに好きな人いるのか?



いたらさ、やばいよね。
だって俺キスとかしちゃってるし。



俺にとってはそんなたいそうなもんじゃないけどマキにとっては…………?




『分かった。じゃあそう言ってみるね!』



「んー」



『時間とらせてごめんね。じゃあまた』



別に良いのに。
マキの声は落ち着くから。



プープーと機械音が響くケータイを
そっと暗闇のなかで閉じた。



またベッドから天井をみあげる。




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