そばにいれたなら
真っ赤な唇を光らせながら
騒がしい店内で深雪さんは俺に
間近に迫ってきた。
俺の目が近くで見られる。
全部見透かされそうになる。
「レイの綺麗な瞳にはその高校生しかうつってないのねぇ」
くすっと笑いながら深雪さんは
俺から離れて行く。
何も言えない俺はただ深雪さんの
顔を見ていた。
深雪さんもグラスをもちながら
俺の顔を見据える。
「ここはお客様を持て成す場所のはずなのにレイの恋愛相談みたいになってる」
「あ、ごめん」
「まぁ、あたしはいいよ。レイはそういう人だって分かってる。」
深雪さんはお客様。
なのになぜかいつもお姉さんみたいな
口調で話してくる。
「レイっていつも変わってるとは思ってたけど高校生が好きだったんだ」