そばにいれたなら







「…これ」



俺が選んだのは露出の少ない高校生が好きそうな原色系の服。

なんでか、マキには
ああゆう服来てほしくないって思った。



「これ、かぁ。」



んー、と服とにらめっこしてるマキ。

買うんじゃないのか!と
突っ込みたくなったけどやめた。



「しかたない!レイが選んでくれたから買おう!」



「や。俺だすよ」



え?と言うような顔で俺を見つめる。

だってこの成り行きそうでしょう?
俺が選んだ訳だし。
無理矢理だけど着てほしいみたいなこと思ったんだしね。



「いや!自分で払う!」



「まだマキ働いてないし」



「だってそれじゃなんかあたしが催促したみたいな…」



思わないよ、そんなこと。


でもそんなふうにまた必死なマキを
見ると俺の胸がなんでか痛んだ。



やっぱりマキは俺の周りにいる人とは
違う、高校生なんだねって。



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