そばにいれたなら








「俺も、もう嫌」



「またきたい。」



「……俺は一緒にいたくない。」



「あたしはそばにいたい。」



「俺はっ…そばにいたくない」








レイ、ならなんであなたが話すたび
腕の力は強まるの?



あたしを解いてはくれないの?



どうして、あたしより

あなたの方が辛そうなの?



もう…、


何言ってもダメなのかなぁ?




レイの息があたしの耳に触れる。



だんだん実感してきたせいか涙が溜まってくる。



あたしは、それを拒否する権利を
持ち合わせてないのかな。










「じゃあ…もうこないから…


―――――抱いて」






レイの腕が強張った。




< 92 / 103 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop