そばにいれたなら








「…ご、ごめん。……やっぱりいい」



いきなり涙がでそうになって
あたしはレイに見えないように俯いた。


後悔が押し寄せる。



最後にこんな空気になるくらいなら
言わなければ良かった。


あたし、馬鹿だなぁ。



レイが高校生のあたしなんか
抱くわけないじゃん。



でもあたしは、思い出が欲しかった。


たとえ最後じゃなくても、
レイと一緒にいたっていう思い出が。



こんなままでお別れなんて嫌だよぉ。



あたしの頭にレイの手が乗った。





「覚悟、できてんの?」




「え?」




「最後に、…抱いてやるよ」




上を向いたはずみであたしの瞳に
溜まった涙が1筋流れた。











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