モノクローム
玄関を出ると、踏切の音が既に鳴っていた。
最寄の駅まで、歩いて5分
かかるかかからないか…?
踏切は随分手前から鳴り始めるから
走ればなんとか間に合う距離。
あたしは一目散にに走り出した。
これに乗らないと1時限目には間に合わない。
踏切沿いの道まで来た時
電車がゆっくりとホームに向かって、スピードを緩めていた。
それでも改札を抜けるまで30メートルくらいはある。
あたしはとにかく猛ダッシュを続けた。
ピィーーーッ♪
車掌さんの吹く笛と同時に、電車に滑り込んだ。
その瞬間
プシューッと音を立て扉が閉まる。
(セーフ!今日の走りは新記録かも)
あたしは閉じられたドアにもたれ、乱れた呼吸を整えた。
余りにハァハァ言ってるのが恥ずかしくて
皆の注目を浴びてないか、目をキョロキョロさせて周りを窺った。
その時だった―――