モノクローム
迷い
次の日起きると、頭が割れそうに痛く、節々も痛い。
唾を飲み込んでみると、違和感がある。
それに体が熱くて全身がだるい…
(あーやられちゃったか…!)
あたしは子供の頃から扁桃腺が弱かった。
小学校の内科検診で
《扁桃腺肥大》
と書いた紙を貰ったけど
結局、扁桃腺を切らないままにしてたので
必ず風邪をひくと扁桃腺を腫らし、熱を出していた。
「お母さ〜ん!体温計!」
あたしは言いながらダイニングへ行く。
「なぁに、熱?また扁桃腺?
…っとに!昨日あんな遅くに帰ってきて…」
始まった、母の小言。
ブチブチ言いながら、体温計を持ってくると
「妊娠とか、気をつけなさいよ!」
(いつも最後はコレだ…)
「だから〜、昨日はバイトの店長さんの奢りで、って言ったじゃん。
もぉ〜朝からうるさい!
しかも、こっちはだるいの!」
あたしは体温計を挟み、紅茶を啜った。
ピピッ!
体温計がなる。
見ると、既に朝から38℃を越えていた。
「ヤバー…後で病院連れてってね」
あたしはそう言うと部屋に戻り、布団に潜った。