モノクローム
「詳しいことは言えないけど…
アイツ、あー見えて不器用だし、孤独なとこあるから…
だから京奈ちゃんみたいに明るい子、俺はいいと思うな。
自分から何か話すまで、俺が今日話したこと言わないでね。
アイツのこと…頼むな!」
「え…頼むって言われても…あたし…」
「あぁ、ごめんごめん!
友達でいいから、仲良くしてやってよ」
「ん…うん…」
(…友達…か)
あたしは窓の外を見た。
「アッ!」
「雨!」
あたしとアキは同時に叫んだ。
「京奈ちゃん、傘、持ってる?」
「うぅん、持って来なかった…」
「家まで送ろうか?」
アキに言われて、あたしはハッとして
現実に引き戻された気がした。
家の前にまたヒロがいたら…
まさかね、時間も時間だし…昼間からはいないよね…
でも万が一のことを考えて、あたしはアキの申し出を断った。