なんでやねん。
「大体なんでアサミはいっつもノーメイクなんよ」
「だってする時間あるんやったら寝るもん」
「最悪やわ。それでも恋する乙女か!」
「うぐ…」
い、言い返せん…
だってそんなんメイクとか学校でするもん?
そりゃ共学やしせなアカンかもしらんけど…
「だって私、ヒロキ以外の男の子興味ないし…」
「…」
「でもいざ化粧しようとか思っても、ずっとノーメイクで付き合ってきたから、張り切ろうとも思わんし…」
「張り切ろうや、そこは」
「う~ん…」
その瞬間、私の顔の前に差し出されたもの。
苺の模様が可愛い、パステルピンクのリップグロス。