なんでやねん。









「カエちゃん…これ可愛いリップやね!」

「そう。これだけでも塗っとき!」

「え。ええの?使って」

「親友が聞いて呆れるわ。女の子はいつでも可愛くないとアカンよ?」



私の右手にリップを持たせて、教え込むようにその右手の上から両手で握られる。

その目は凄く真剣で、説得力があって、さすがお洒落さんだなあ。と思った。



「うん。…ありがとうカエちゃん!」

「ええんよ~可愛ええ妹やからなぁ~。それ塗ってぷるぷる唇になりぃ~」

「わ~んカエちゃあ~ん」



そやんな。ずっと昔からおるからって理由付けても、お洒落せんでいいっていう理由にはなれへんよな。

女の子は誰だって、可愛くなりたくてナンボや!


その心は忘れたらアカンよな!



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