なんでやねん。

幕開け。










「お前マジでふざけんなや」

「は?何がよ」

「お前…この場に及んでまだそんな口を叩くんか」

「だから何がよ!」



澄んだ初夏の空が迎える平和な朝。

ごくそこらへんに建つ平々凡々な男女共学の市立高校。

そこに並ぶいくつもの教室の中で、ひときわうるさく騒ぐ教室があった。



「何よ!とか言いながらその右手に握りしめてるもんはなんや」

「ん?あーこれ?…メロンパン。」

「俺のメロンパンじゃあ!」



ひときわ騒ぐ教室。2年2組。

その騒ぎの原因は、周りからケラケラと笑われながらも教室の中心にいた。

そんな中心にいる、2人の男女。



< 2 / 37 >

この作品をシェア

pagetop