なんでやねん。
幕開け。
「お前マジでふざけんなや」
「は?何がよ」
「お前…この場に及んでまだそんな口を叩くんか」
「だから何がよ!」
澄んだ初夏の空が迎える平和な朝。
ごくそこらへんに建つ平々凡々な男女共学の市立高校。
そこに並ぶいくつもの教室の中で、ひときわうるさく騒ぐ教室があった。
「何よ!とか言いながらその右手に握りしめてるもんはなんや」
「ん?あーこれ?…メロンパン。」
「俺のメロンパンじゃあ!」
ひときわ騒ぐ教室。2年2組。
その騒ぎの原因は、周りからケラケラと笑われながらも教室の中心にいた。
そんな中心にいる、2人の男女。