なんでやねん。
そしたら突然、じっとこちらを見つめてくるヒロキ。
ドキ。また高鳴る心臓。
今度は同時に、体温も。
「ひ、…ヒロキ?」
「…何」
「どないしたん?」
「…」
「何かついてる?鼻から何か出てる?」
「アホか。ちゃうわ」
そう言ったヒロキは、項垂れていた身体を起こしてぐしゃぐしゃと頭をかきだして。
ボソッと、なんでもないと、呟いた。
「何よ。絶対何かあるやん」
「…無いって。気にすんな」
「嫌やわ気ぃ悪いやんそんなん」
「だーから!たいしたことちゃうって」
「それでも気ぃ悪いもん!」
そりゃ顔じっと見られて、そりゃ、そりゃ緊張したけど!そりゃドキッとしたけど!
なんか嫌やん。なんでもないとか。