未来〜切ない二人〜
はじまり
お母さんもいなければ…


お父さんもいない…。


なぜだか、これが理由でいじめられた。
まぁ、親の死に方が異常だったんだけど。
親は、お父さんは自殺、お母さんは惨殺されていた。

その光景をみていない私は、まだましなんだろう。

きっと、グロテスクで悲しいものだったと思う。

静かに、フェンスを越えて足をのばした。
その瞬間。

「まっ…、まってよ!?」

後から声がした。

「なに?」

後も振り返らずに顔も知らない相手。

「自殺しようとしてる?」

臆病な声。

「ほかになにがあるの?まさか、私がここからビルの下みてるってわけじゃないでしょう?」

「でっ、でも!やっぱりだめだよ!」

そういった瞬間に臆病な声の主が止めようと後ろから抱き着いてきた。

「ちょっと…、なにしてんの…。」

少し、動揺した。初めて会った、声しかしらない相手に抱き着かれているんだから。だれだって、動揺するに違いない。

「わ…、わかったから。離して…?」

恐る恐る、後ろをみていたら可愛い必死な顔で私の背中を見つめていた。

「あっ、ごめんなさい…。あ、あのわたし…。」
おどおどして私の顔色を伺っているようだった。
でも、笑うこともすでに忘れかけていた私はクスリとも笑えなかった。
その顔をみたその可愛い顔の女の子は、少し口角が下がった気がした。

「なんで…あやまんの?てゆーか、なんで助けたの?!」

私は、少し苛立っていた。
それは、自殺をとめられたから。
私は、自分がすると決めたら絶対にするタイプなのに、その作戦を邪魔されたことに苛立っていた。

「あの…、あなた本当は…、とめてって顔してたから…。」
「は…?私、めっちゃ死ぬ気だったんだけど?」

この女の子がわからない。なにをしたいんだろう?
なにが目的?
なにが?
疑問ばかりが頭をよぎる。

「死んでどうするの?」

初めて、女の子が強気な発言をした。

「別に?」

女の子は、私を見た。

「私、あなたと友達になりたい。」

とても真っ直ぐな目で私をみた彼女の瞳に吸い寄せられそうに真っ直ぐだった。

とても…


とても…

真っ直ぐだった。
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