龍と虎に愛されて。
「これって……」
「キスマーク。これで浮気できねぇな」
「キ、キ、キスマーク~!?」
慌てふためいている佐和があまりにも可笑しくて、俺は思わずフッと笑った。
「……もう!これどうすんのよ!ママに変に思われちゃう!!」
「蚊に刺されたって言えばいいじゃん」
「無理!絶対蚊に見えないもん!」
ちょっとやりすぎたか。
薄らと目に涙を浮かべる佐和を見て、少しだけ自分の行動を反省する。
「大丈夫だって。風呂で温めればすぐ消える」
「え?本当に!?」
「あぁ。そんなに強く吸わなかったし」
佐和は安心したように、ハァと安堵の溜息を吐いた。