龍と虎に愛されて。
「あら、もう来たのね。はいはい〜今でま〜す!」
先月アラフォー世代の仲間入りを果たした人間とは思えない、甘ったるい声を出すママにホトホト呆れ返る。
「いらっしゃ〜い!」
ママが扉を開けた瞬間、あたしの目に信じられない人物が飛び込んできた。
え……?ちょっと……、これってどういうこと!?
どうしてうちに……あいつが……!?
「初めまして。小林と申します。遅くなってすみません」
「い~え!!わざわざ来てくれてありがとう!出来の悪い娘だけど、どうかよろしくお願いします」
「いえ」
玄関先で挨拶を交わしている二人を遠い目で見つめ、あたしは目の下をこれでもかという位引きつらせた。