龍と虎に愛されて。
「謹慎中の課題出されたから」
「課題……」
そっか。課題をやるために、教科書を取りにきたんだね。
退学になったわけじゃ……ないんだ。
「……――おい!大丈夫か?」
ホッとしてヘナヘナとその場に座り込むあたしの腕を、龍心がギュッと掴む。
「よかったぁ……。退学にならなくてホントよかったよぉ……」
「バーカ、泣くなって」
「また一緒に授業受けたりできるんだよね?」
「当たり前だろ」
安心した途端、目から大粒の涙が頬を伝った。
「泣き虫女」
龍心はそんなあたしを温かい眼差しで見つめて、溢れた涙を人差し指で拭ってくれる。
龍心の優しさが胸に温かく染み渡る。
それと同時に、龍心への想いが募っていく。