龍と虎に愛されて。
「そろそろ、帰るか」
「……だね」
どのくらい、抱き合っていたんだろう。
そんなに長い時間じゃない。だけど、短い時間でもないはず。
龍心との甘い時間は本当にあっという間で。
時間が止まればいいのに……。
なんて考えちゃったあたしは、もしかしたら、欲求不満なの!?
だけど、大好きな彼氏に抱きしめられてキスをして……。
至福の時間って、こういうことのことなのかも。
スキップしたいくらいの上機嫌で教室を出ようとした瞬間。
「佐和さん……と、小林君まだ残ってたの?」
扉の手前で杉崎君とバッタリ会った。