龍と虎に愛されて。
第三章
バカ女―龍心サイド―
―――龍心サイド―――
一週間の謹慎を終えて久し振りに学校に着くと、俺を取り巻く環境は劇的に変化していた。
教室に入り、自分の席に向かうだけなのに、周りから痛いほどの視線を浴びせられる。
俺を散々イジめた金子は、教室の隅でピクリとも動かず置物のようになっていた。
「何見てんだよ」
俺が一言、言葉を発するだけで教室中が妙な雰囲気に包まれる。
取って食ったりしねぇよ。
こんなことになるなら、根暗な小林でいたほうが楽だった。
人にジロジロ見られるとストレスが溜まる。
周りからの視線に心の中で舌打ちをすると、
「龍心~、おはよう!!」
明菜が俺の顔を覗き込みながらニコリと微笑んだ。