龍と虎に愛されて。
「何で怒ってんの?」
「別に怒ってない」
いやいや、誰がどう見たって怒ってんだろ。
明菜の目つきは更に鋭くなる。
「なぁ、もしかして妬いてんの?」
「別に妬いてない!けどさぁ、彼女がいたら普通、そんなの受け取らないでしょ!?」
「受け取ったわけじゃねぇよ。無理矢理渡されたんだって」
「ふぅん。でもさ、本当に捨てる気あったの?」
「お前、何が言いたいんだよ。もしやましい気持ちがあれば、こんなもん隠すに決まってんだろ」
全ての紙切れを机の上に出して見せても、明菜の機嫌は斜めなまま。
ヤキモチ妬いてんのか。
可愛いとこあるじゃん。
「分かった。これからは受け取らない。だから機嫌直せって」