龍と虎に愛されて。
「は?お前、何言ってんだよ」
驚いて明菜を睨みつけるも、明菜はふんっと鼻を鳴らして得意げな表情を浮かべる。
これってもしかして、さっきの仕返しかよ?
ありえねぇよ……。
「……小林か。確かに適任だな!!みんなはどう思う?」
担任がクラスメイトに問いかけても、皆一様に俯き誰も答えようとはしない。
根暗を演じていた頃じゃきっと嫌な役は押し付けられておしまいだったはず。
そう考えると、やっぱり根暗男を辞めて正解だったのかもしれない。
ホッと胸を撫で下ろすと、
「じゃあ、とりあえず小林は決定で!!」
担任はにやりと笑いながらそう言った。
「は?何で俺が……――」
「大人しくするって約束だったろ?」
『また謹慎生活を味わいたいのか?』
とでも言いたそうな表情の担任に、俺は出かかっていた言葉をぐっと飲み込んだ。