龍と虎に愛されて。

「これやるよ」


「……飴?」


慌てて振り返ると、龍心はあたしの手にいくつかの飴を握らせた。


「遭難したら非常食にするんだな」


「遭難って……縁起でもないこと言わないでよ!それに飴なんて非常食にできないし!!」


って、口では強気なことを言っているけど、本当はちょっぴり嬉しくて。


この飴は頂上に着いたときの自分へのご褒美にしよっと!!


すると、龍心とあたしのやり取りを見つめていた杉崎君がプッと吹き出した。

< 156 / 478 >

この作品をシェア

pagetop