龍と虎に愛されて。
杉崎大虎(たいが)。
俺はあいつの正体を知っている。
そして、あいつも以前から俺の正体を知っていた。
小中高と同じ学校。
同じクラスになることも少なくなかった。
でも、俺と大虎はいつも互いに距離を置いていた。
自分と同じような性格の大虎は自分の生き写しの様で、仲良くなろうとは思わなかった。
『龍心のその格好、面白いね』
入学式の日、大虎は俺の格好を舐めるように見つめ、ふっとバカにしたように笑った。