龍と虎に愛されて。
「じゃあ、この問一やってみましょうか?公式って覚えてます?」
「あぁ〜、全然分かんない。何だっけ?」
ようやく部屋を片付け終わり、勉強モードに突入したにも関わらず、佐和はアクビをしたり携帯をいじったり全くヤル気はないようだ。
……こいつ、張り倒してぇ。
俺はできるだけイライラを抑えて、笑顔で声を掛けた。
「ちゃんと考えてくださいよ。佐和さんなら、よく考えれば絶対出来ますから」
佐和を煽(おだ)ててやる気を出させようとする。
俺がわざわざ大嫌いな佐和を煽てるには訳があった。
……そう、今までの復讐をするため。