龍と虎に愛されて。
「ここで肝試しなんてやって大丈夫なの?」
「……ヤバそうだよね?」
確か肝試しは旅館のすぐ傍でやるって担任が言っていたような……。
でも周りには外灯なんて一つもなくて。
陽が落ちたら辺りが真っ暗になることは簡単に想像が付く。
『肝試しなんて楽勝だよ〜!!』
強がってみんなにそう言っていたけど、本当は人一倍苦手。
肝試しも、お化けも大ッ嫌い。
「ハァ……」
夜になれば肝試しという最悪のイベントが待っている。
あたしは大きな溜息を吐いた。