龍と虎に愛されて。
「明菜、本当は肝試し怖いんだろ?」
「そ、そんなことない!」
旅館の外に出て他の生徒達が集まる場所へ向かう途中、龍心は呆れ顔であたしを見つめた。
「強がるんじゃねぇよ。お前って、ホントバカだな」
「何でよ!!」
何で肝試しが怖いとバカなのよ!
ムッとしながら聞き返すと、龍心は繋いでいる手にギュッと力をこめた。
「俺とペアになれば怖くなかっただろ。でも誰かさんは俺をお化け係に推薦してくれちゃったし」
「……それは……」
確かにあの時は、龍心に仕返しが出来て満足だった。
でも今は後悔しまくってるよ~!!