龍と虎に愛されて。
「杉崎君!!!」
女の子達に取り囲まれていた杉崎君を見つけ、急いで駆け寄る。
「ごめん、もうすぐ俺達の番だから。また後でね」
「分かったぁ~……」
杉崎君の言葉に周りにいた女の子達が一斉に散る。
「……チッ!!」
すると、女の子達はあたしの横を通り過ぎる時、ギロリと横目で睨んで舌打ちをした。
「……ちょっ……!!なんで舌打ちされなきゃなんないのよ」
杉崎君のファンだか何だか知らないけど、気分悪い。
「何か……ごめんね?」
あたしがボソッと呟いた台詞が杉崎君の耳に届いていたみたい。
杉崎君は苦笑いを浮かべながら、申し訳なさそうに謝った。