龍と虎に愛されて。

「杉崎君!!!」


女の子達に取り囲まれていた杉崎君を見つけ、急いで駆け寄る。


「ごめん、もうすぐ俺達の番だから。また後でね」


「分かったぁ~……」


杉崎君の言葉に周りにいた女の子達が一斉に散る。


「……チッ!!」


すると、女の子達はあたしの横を通り過ぎる時、ギロリと横目で睨んで舌打ちをした。


「……ちょっ……!!なんで舌打ちされなきゃなんないのよ」


杉崎君のファンだか何だか知らないけど、気分悪い。


「何か……ごめんね?」


あたしがボソッと呟いた台詞が杉崎君の耳に届いていたみたい。


杉崎君は苦笑いを浮かべながら、申し訳なさそうに謝った。
< 189 / 478 >

この作品をシェア

pagetop