龍と虎に愛されて。
その物体は宙を舞い、見事に佐和の足元に届いた。


「……いやぁぁ!!」


それを手で払い落すと、佐和は突然立ち上がって俺から距離を置いた。


「なにビビってんの?」


そんな俺の問いかけに答える余裕もなく、佐和はうずくまり怯えながら顔を手で覆った。


佐和の予想以上の怯えっぷりに、こいつへの復讐を今か今かと心待ちにしていた俺の心は躍った。

< 21 / 478 >

この作品をシェア

pagetop