龍と虎に愛されて。
「もう俺から離れるな」
見えない鎖で明菜を縛り付けてしまいたい。
いつ何があっても必ず守ってやれるように……。
「離れない……もう絶対、離れないから!」
そう言いながら俺の体にしがみ付く明菜の頭を撫でる。
こんな暗い場所で両手を拘束されてどんなに怖い思いをしたんだろう。
男の俺には分からない恐怖を味わったに違いない。
「もう大丈夫だ」
「ごめんっ……ごめんね……!!」
何度も謝る明菜。明菜は何も悪くねぇよ。
俺は明菜のあごを掴んで、そっとキスをした。
何度も何度も。
大虎との出来事を明菜の中から消し去りたい、その一心で。